「スッキリ起床」のために。レム睡眠とノンレム睡眠の違い
レム睡眠とノンレム睡眠に関するよくある勘違い。それは「レム睡眠=浅い、ノンレム睡眠=深い」というもの。じつはこの2つの睡眠の違いは睡眠の深さだけではありません。脳や体の休息や記憶の定着のために、それぞれに大きな役割があるんです。レム睡眠とノンレム睡眠の周期が分かればスッキリ目覚める方法もおのずと見えてくる!自分にピッタリの睡眠スタイル見つけてみませんか。
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レム睡眠・ノンレム睡眠の違いと特徴
睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠の2つの異なった睡眠状態によって成り立っています。
一般的に、レム睡眠=浅い睡眠、ノンレム睡眠=深い睡眠
と思われていることが多いのですが、これには誤解があるようです。
レム睡眠とは
外見的には眠っているのに脳は覚醒している状態にある睡眠をレム睡眠といいます。
レム睡眠に入ると心拍数が増加し、呼吸も浅くなります。
大きな特徴は、眠っている間に眼球がピクピクと急速に動く「急速眼球運動」があることです。「Rapid Eye Movement」の頭文字をとって、REM(レム)睡眠と呼ばれています。
ノンレム睡眠とは
ノンレム睡眠は、急速眼球運動がない状態(Non Rapid Eye Movement) のことから、ノンレム(NREM)睡眠と呼ばれています。
ノンレム睡眠に入ると心拍数は安定し、深い呼吸になります。脳は完全に休息状態にあり、脳を休めて体の疲れを回復するための睡眠でもあります。ノンレム睡眠の中にも浅い睡眠と深い睡眠があり、深い睡眠が十分でないと日中に眠気を感じてしまうことがあります。
レム睡眠とノンレム睡眠の周期
レム睡眠とノンレム睡眠は、規則的な周期で繰り返されています。
1晩で「レム睡眠&ノンレム睡眠」は何回繰り返される?
レム睡眠とノンレム睡眠の2種類の眠りはセットになっており、その1セットの合計時間は70分~110分。
個人差はありますが、平均で約90分とされています。
眠りにつくとまず、浅いノンレム睡眠から始まります。
その後、一気に深いノンレム睡眠へと入っていき、その後、再び浅いノンレム睡眠へ移行していきます。
これを1セット(平均90分)とし、平常時は1晩に3セットから5セット程度繰り返しています。
レム睡眠とノンレム睡眠との割合は、成人の場合、レム睡眠が2割、ノンレム睡眠が8割といわれています。
また、ノンレム睡眠は、睡眠の深さで4段階(ステージ)に分かれます。
第1段階 | うとうとした入眠状態でまだ浅い眠りの状態 声をかければ、すぐに目を覚ます程度 |
第2段階 | 軽く寝息をたてるくらいの眠りの状態 耳から入る情報をキャッチできる程度 ノンレム睡眠の中で割合が1番高い |
第3段階 | 中間ぐらいの眠りの深さ 脳神経、体が休んでいる状態 |
第4段階 | もっとも深い眠り 脳神経、体が休んでいる状態 |
第3・第4段階は、徐波睡眠や深睡眠期とも呼ばれています。
図から分かるように、1晩の睡眠時間の前半にノンレム睡眠(第3・4段階)が集中していますね。
つまり、1晩の睡眠時間のうち、最初の3時間で深い眠りが8~9割を占め、後半は、ノンレム睡眠の第2段階~レム睡眠が占めています。
起床時刻に近づくにつれて、ノンレム睡眠の時間よりもレム睡眠の時間が長くなるということは、体の深部の体温も上昇してきて覚醒の準備を始めているということです。
2種類の睡眠が存在するワケ
レム睡眠時は、体は眠っていても脳は起きている状態です。
これは、体も脳も完全に休息状態になってしまい、無防備になる時間を少しでも短くするという利点があるのではないか?と言われています。
また、ノンレム睡眠は大脳の発達しているヒトや猿などの高等生物に多く現れる睡眠です。昼間に酷使した大脳をノンレム睡眠で集中的に冷すことで休ませているとも言われています。
レム睡眠・ノンレム睡眠と「記憶」の深~い関係
睡眠中の脳の中では、2つの「記憶の整理」が行われています。
レム睡眠で「日中の記憶を整理」する
レム睡眠の間に脳が行っていることは、日中の行動記憶や感情の整理です。
日中に得た大量の情報から、必要なもの・不必要なものを整理し、必要な情報は記憶し、不要な情報は削除という作業をしているのです。
レム睡眠の時間が短い場合、「非陳述記憶」と呼ばれる、スポーツや楽器を演奏するなどの芸術的な技能が定着しづらくなると言われているんですよ。
ノンレム睡眠で「イヤな記憶を消去」する
ノンレム睡眠では、イヤな記憶を消去する働きがあります。
就寝後の約3時間、しっかりと深い眠りにつかないと、昼間の活動中に経験したイヤな記憶が消去されず、心が癒されません。
反対にいえば、この時間にしっかりと寝られれば、イヤな記憶は消されるということです。
そういえば、あなたの周りにもこんな人いませんか?
仕事で失敗してひどく落ち込んでいても、翌朝、何事もなかったかのように元気に出社してくる人。(^-^)
羨ましい性格だなぁ…なんて思っていましたが、じつはしっかりと深い睡眠をとっている人なのかもしれませんね。
Q&Aで一挙解決!いびき・夢・金縛り・加齢……睡眠周期のあらゆる疑問
いびきや夢を見るなど、睡眠時に起きていることはレム睡眠、ノンレム睡眠のどちらの時なのでしょうか?睡眠周期のあらゆるギモンにお答えします!
反対にレム睡眠は、脳は覚醒状態に近いのですが体が弛緩しているので動きません。
「90分単位」「8時間睡眠」に惑わされない。自分の睡眠サイクルを知る方法
睡眠サイクルは「90分単位」や「8時間睡眠」が望ましいなどと言われますが、じつは睡眠サイクルには個人差があります。ですから、自分の睡眠サイクルや最適な睡眠時間を知ることが大切なのですね。
計算方法の参考に。睡眠時間の目安表
個人差はありますが、一般的に睡眠サイクルは90分単位が平均といわれています。
以下は4.5時間や6時間など、90分サイクルで睡眠をとった場合の起床時間の目安表です。
左側の就寝時間から、スッキリと目覚めることのできる起床時間を調べてみましょう。
4.5時間 | 6時間 | 7.5時間 | 9時間 | |
---|---|---|---|---|
20時 | 0:30 | 2:00 | 3:30 | 5:00 |
21時 | 1:30 | 3:00 | 4:30 | 6:00 |
22時 | 2:30 | 4:00 | 5:30 | 7:00 |
23時 | 3:30 | 5:00 | 6:30 | 8:00 |
24時 | 4:30 | 6:00 | 7:30 | 9:00 |
1時 | 5:30 | 7:00 | 8:30 | 10:00 |
2時 | 6:30 | 8:00 | 9:30 | 11:00 |
目覚ましをかけずに自然に起きてみる
最適な睡眠時間を知るために、まずは目覚ましをかけずに自然に起きてみましょう。
目覚ましをかけずに自然に起きた時の睡眠時間と体の感じを比べてみます。自然に目覚めた時に「すっきりと目覚められた」と感じた場合には、それが自分にとって最適な睡眠時間である可能性が高いのですが、目覚めの感じだけでなく、日中の様子もチェックしてみましょう。
ぼーっとしたり、疲れを感じたりしていないかなど、目覚めの感じと日中の様子の両方を見て判断すると良いでしょう。
起きた時に寝足りないと感じたり、日中にぼーっとする場合には、就寝時間を30分早めてみて、同様にチェックしてみましょう。
アプリを使う
自分の睡眠サイクルを知るためにアプリを使う方法があります。すっきりとした朝の目覚めを手助けしてくれる快眠アプリは、レム睡眠とノンレム睡眠の間隔を測定してくれるのでとても便利ですよ。
詳しくはこちらの記事を読んでください。
短時間でレム睡眠とノンレム睡眠をセットで取りたい!方法はある?!
人は、入眠すると急速にノンレム睡眠の深い眠りに落ちていきます。ノンレム睡眠に落ちるまでの時間は、早い人で20分程度、一般的には30分程度と言われています。
ノンレム睡眠に落ちた状態で目覚めると、眠気を残したまま目覚めることになるため、仮眠をとる場合には20分程度が良いでしょう。
また、どうしても短時間しか睡眠がとれない場合でも最低3時間は睡眠時間を確保しましょう。
入眠後の3時間は、ノンレム睡眠の割合が多く成長ホルモンを分泌させて疲れを効率的に取ることができます。
ただし、睡眠時間が3時間の生活を長く続けることで心身に負担がかかり、健康を害する恐れがあります。
3時間睡眠は、あくまでも緊急的に短時間しか睡眠をとれない場合の目安です。
もっと睡眠にこだわるなら「質」を追求
自分の睡眠サイクルを知って、それに合わせて就寝時間と起床時間を設定することで、心地良い目覚めを迎えることができることが分かりましたね。
もっと睡眠にこだわるならば、睡眠の「質」を追及することも大切。いくら長時間睡眠をとっても質の良い睡眠でなければ、体の疲れが取れないこともあります。これを機に睡眠の質にもこだわっていきましょう。
睡眠の質を上げましょう!詳しくはこちら
「スッキリ起床」のために。レム睡眠とノンレム睡眠の違い まとめ
毎朝スッキリ起床するためには、自分の睡眠サイクルを知ることが大切だということが分かりましたね。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2つがあり、それぞれに睡眠の種類や働きが違います。その違いを理解して、睡眠サイクルを理解することで自分にとっての最適な睡眠時間を見つけることができるでしょう。
快眠アプリや睡眠の質を上げる方法などを知って、スッキリ起床を目指しましょう。
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