更年期障害の治療法は?症状緩和におすすめな市販薬ランキング5選
更年期のつらい症状、我慢して過ごしていませんか?頭痛やめまい、耳鳴り、のぼせやほてり、月経異常など…日常生活に支障がでるようなら、更年期障害の可能性が高いです。
つらい症状は治療で改善されることもあります。
今回は更年期障害の病院での治療法、また自宅でできる改善策、市販の更年期治療薬など、さまざまな対応策を紹介します。
我慢しないで、自分にあった方法で明るい更年期を過ごしましょう。
見出し
更年期障害の症状はさまざま
更年期障害と聞くとどんな症状を思い浮かべるでしょうか? 一言でいっても個人差がありますが、一般的によく見られる症状には以下のようなものがあります。
更年期障害の原因は?
ではこれらの症状はなぜ起こるのでしょうか? 個人差はありますが、だいたい50歳前後になると女性は閉経を迎えます。この閉経をはさむ前後約10年間、年齢でいうと45歳~55歳ごろを更年期と呼びます。更年期になると卵巣の機能が低下し女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少し、それによりホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな不調をもたらすのです。
女性ホルモンは、脳の視床下部から出た指令により子宮から分泌されます。視床下部はそのほかさまざまなホルモンの分泌を促すだけでなく、自律神経を司り体温調節、呼吸器官、消化器官、性機能、精神活動などのバランスを保ついわば指揮官。体を健康に保つため、全身にさまざまな指令を出します。
しかし、卵巣の機能が低下すると若いころのように十分なホルモンを出すことができなくなります。すると脳は「ホルモンが出ない!」と混乱し通常の何倍もの指令を出してしまい、自律神経の乱れから頭痛やめまい、イライラなどの不調が表れるのです。
更年期障害の改善法は?
更年期障害の症状は多岐にわたり、心身にさまざまな影響を及ぼします。当然、症状や重さにも個人差があり、治療方法も百人百様。ではどのような治療方法があるのか見てみましょう。
生活習慣の見直し
更年期障害には生活習慣が影響していることが珍しくありません。毎日の習慣の積み重ねが症状の悪化を招いていることも…。シンプルなことですが、生活習慣の見直しが症状の改善への第一歩になります。
① バランスの良い食生活
毎日の食事も成人すると食べ物の好みが変わりにくくなるため、同じような食材を摂取しがちになります。すると更年期に足りなくなる栄養素を摂取しにくくなることも。
また、更年期障害は女性だけでなく、男性にも症状が現れることがあります。男性の更年期障害は男性ホルモンの一種、テストステロンの減少が原因なので、このテストステロンの生成を補う食材を摂取することが必要です。
大豆食品 (豆腐・納豆・みそ・おから など) |
女性ホルモンであるエストロゲンに似た大豆イソフラボンは、ホルモンの分泌を促してくれ女性ホルモン量のアップも期待できます。 |
納豆・ほうれん草・小松菜 | ビタミンKが豊富で骨の健康維持におすすめ。活性化骨粗しょう症の治療薬としても活用されている栄養素です。 |
レバー・牡蠣・あさり・しじみ・ナッツ類 | テストステロンの生成を補う食材である亜鉛を多く含みます。 |
レモン・赤ピーマン・ほうれん草 など | 亜鉛の吸収を助けるビタミンCが豊富に含まれます。 |
食べ物にはそれぞれ効能あります。固定されてしまいがちな食卓に、効能を意識した食材をプラスしてバランスの良い食事を楽しみたいですね!
② 睡眠の質を上げる
更年期障害の症状のひとつである不眠や眠気。じつに更年期の30~40%の人がこの症状に悩んでいるというデータもあります。本来、人間は睡眠中に身体の機能を休めるものですが、これができないと休息ができず、肌荒れやイライラのほか、さまざまな病気を引き起こしやすくなります。
質の良い睡眠を取るためにはどのような方法があるのでしょうか?詳しく知りたい方はこちらの記事をごらんくださいね!
③ ストレス発散や適度な休養
更年期障害の大敵であるストレス。ストレスを感じることでホルモンバランスや自律神経を乱し、体や心の不調となって現れます。女性なら仕事や子育て、夫との関係や親の介護の問題など、更年期には悩みは尽きませんね。
男性も仕事の責任が重くなる頃で、リストラの心配や家庭内不和などが出てくることも。加えて、男女ともに容貌や体力が衰え自信喪失を覚えるなど40~50代はストレスフルな年代といえます。
ストレスをゼロにすることは難しいですが、上手に息抜きすることも対処法になります。寝る前のストレッチなど軽い運動、好きなテレビ番組を見て笑う、外に出かける、音楽を聴く…1日ひとつでも好きなことをしてリラックスできるといいですね。そして「疲れたな」「つらいな」と思ったら無理を重ねないよう、こまめに休みを取りましょう。
④ 禁煙
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は女性ホルモンを作る働きに悪影響を与えます。更年期障害の発症を早めるだけでなく、女性ホルモンの代表であるエストロゲンが減少してしまうことで、骨折しやすくなったり、心筋梗塞や動脈硬化などに罹りやすいというリスクが出てきます。肌の老化を早める、肺がんや子宮頸がんの罹患率が上がるというデータもあり、喫煙は百害あって一利なしといえるでしょう。
アロマの香りでリラックス
ヨーロッパで古くから更年期の治療として用いられてきたアロマテラピー。植物のエッセンシャルオイル(精油)の香りによってリラックスや、症状の緩和などの効果があります。マッサージはもちろんティッシュやハンカチに数滴たらし香りを嗅ぐだけでもリフレッシュになるので、簡単にできるセルフケアのひとつとして知っておくと便利です。
使用するときは原液が皮膚に触れないように注意し、ハンカチはシミになっても良いもののご用意を。
症状 | アロマオイル | 効果 |
頭痛 | ・ペパーミント ・ラベンダー ・マジョラム |
神経の鎮静化 緊張やストレスの緩和 心身のバランスを整える |
ホットフラッシュ | ・ラベンダー ・マンダリン ・ペパーミント |
神経の沈静化、リラックス 興奮状態を抑える 精神的疲労を取り除く |
イライラ | ・ラベンダー ・ローマンカモミール |
神経の沈静化、リラックス 緊張やイライラを取り除く |
不眠 | ・ラベンダー ・サンダルウッド ・ベルガモット |
神経の鎮静化、リラックス 不安や緊張を緩和 不安を取り除く |
気分の落ち込み うつ 不安感 |
・ローズオットー ・ネロリ ・ゼラニウム |
不安や落ち込みを改善 気分を上げる 自律神経を調整し不安やうつを改善 |
むくみ | ・グレープフルーツ ・ジュニパー |
血液やリンパの流れを促す デトックス効果 |
動悸・ 高血圧 |
・イランイラン ・マンダリン |
心を穏やかにする 興奮状態を抑える |
エクオールサプリメントで更年期障害の症状緩和
「エクオール」は大豆イソフラボンの代謝物です。つまり、体内で生成する物質のこと。大豆イソフラボンを構成する物質の一つ「ダイゼイン」が体内の腸内細菌によりエクオールが生成されるのです。
30数年前、海外でエクオールが女性ホルモンに似た働きをすることが報告されて以来研究が進められ、エクオールこそが女性ホルモンと同様の作用をしていると判明しました。
つまり女性の体に良いものとして大豆イソフラボン製品が多く見られますが、女性らしさへの効果を期待するならばエクオールを摂取する必要があるということなのです。
エクオールには「美と健康を保つホルモン」エストロゲンと分子構造がよく似ていることから植物性エストロゲンとの呼び名もあり、女性の更年期障害の改善だけでなく、以下のような効果が研究報告されています。
- 骨粗しょう症予防
- 皮膚の老化予防
- 抗酸化作用
- メタボ予防
- 前立腺への作用
- 脂質代謝改善
- 血管内皮改善
しかし!このエクオールは日本人の2人に1人しか体内で作ることができません。エクオールを作る腸内細菌を持っている人は全体の半数にすぎないのです。20代に至ってはもっと少ないといわれています。更年期障害の症状が重い人はこのエクオールが少ないといわれていることからも、とても大切な成分だということがわかりますね。
では、自分で作れない場合はどうするの…?とがっかりしてしまうかもしれませんが、安心してくださいね。最近はエクオールを摂取できるサプリメントが販売されています。
たとえ自分でエクオールを作れる腸内細菌を持っていたとしても、腸内環境が整っていないと作る力が落ちてしまいます。またエクオールは体内で蓄積されないので日々大豆製品の摂取を心がけなければならず、毎日となるとなかなか大変。サプリメントなら不足しがちな女性ホルモンを確実に補充できるので心強いですよね。どんなサプリメントが良いのか気になる方はぜひこちらもチェックしてくださいね。
更年期障害の病院での治療法は?
更年期障害に該当するような症状があり、日常生活に支障をきたす場合は、迷わずに病院を受診しましょう。
判断に迷う場合は内科でも良いですが、更年期障害かどうか調べるのはかかりつけの婦人科、男性は泌尿器科に行くのがベター。血液検査でホルモン量を測るのが確実で、更年期と診断された場合はホルモン補充療法や漢方薬による治療を受けます。
漢方薬で症状緩和
ホルモン補充療法が使えない場合や、さまざまな症状を感じるときに向いているのが漢方治療です。漢方独特の考えである「気・血・水(き・けつ・すい)」を補うことで不調を改善します。
更年期の不定愁訴は「気」「血」からくるものが多く、たとえば頭痛や肩こりは血が滞っているため、頭痛や動悸は気の流れに異常があるためと考えられます。
更年期の症状に効く代表的なものとして、以下のようなものがあります。
「加味逍遙散」…不眠症の改善
「桂枝茯苓丸」…頭痛、肩こりの改善
ホルモン補充療法(HRT)
ホルモン補充法(HRT)は減少したエストロゲン(卵胞ホルモン)を補充する更年期障害の最も根本的な治療法です。子宮がある場合は、プロゲステロン(黄体ホルモン)も一緒に投与されます。種類は経口剤(飲み薬)と経皮剤(貼り薬・塗り薬)があります。経口剤にはエストロゲン単体、プロゲステロン単体、両方を配合した配合剤の3種類があります。また経皮剤にはエストロゲンの貼り薬と塗り薬、エストロゲンとプロゲステロンを配合した貼り薬があります。
ホルモン補充療法(HRT)には以下のような効果があります。
- ホットフラッシュ・発汗などの症状の改善
- 動悸など自律神経の不調の改善
- 骨粗しょう症の予防・改善
- 萎縮性膣炎や性交痛の改善
- 不眠症の改善
- 肌のハリや潤いの改善
- 脂質異常の改善
男性の更年期のホルモン補充療法(ART)
更年期障害と聞くと思い浮かぶのは女性ですが、最近では男性にも更年期障害があるとわかっています。
女性が女性ホルモンであるエストロゲンの減少で不調をきたすように、男性は男性ホルモンであるテストステロンが減少することで発症します。男性の場合、女性の閉経のようなわかりやすい目安はありません。50代後半に多く、会社や家庭での精神的ストレス、疲労や睡眠不足などの肉体的ストレスが原因であるとされています。
男性の更年期障害の主な症状
- イライラ
- 気分の落ち込み、うつ
- 不眠
- 気力の低下
- 筋肉痛
- 口やのどの渇き
- ホットフラッシュ
- 勃起障害、性欲の低下…など
女性と同じように精神的症状、肉体的症状の双方が見られます。生活習慣の改善とともにストレスの発散、質の良い睡眠を心がける必要があります。
また泌尿器科での検査を経て男性ホルモン補充療法(ART)を受けることもできます。これは不足した男性ホルモン、テストステロンを注射や貼り薬、飲み薬などで補充するもので個人差はありますが、3~6か月で症状が改善されます。
副作用としては
- 睡眠時無呼吸症候群
- 女性化乳房
- ニキビ
- ライオン
- 浮腫
- 多血症(赤血球の異常増加によるもの)
が心配されています。また前立腺がん、前立腺肥大などの人はARTを受けることができません。
先に述べたエクオールは、女性ホルモンに似た働きをするだけでなく過剰な男性ホルモンの働きを抑制する「抗アンドロゲン作用」があります。男性特有の前立腺の病気や抜け毛の予防にも良いとされているので、ホルモン療法は副作用が心配という人や、病院へ行くほどではないが気になる症状がある…という人にはサプリメントがおすすめです。男女ともに効果があるのでパートナーと服用するのもいいですね。詳しくは下の記事をご覧ください。
重度のうつ症状には抗うつ剤や安定剤による治療
気分の落ち込み、不安感、焦燥感、うつ病も更年期障害の症状です。内分泌学的要因からくるうつ病にはホルモン補充療法が効果的ですが、心理的要因からくるうつ病には抗うつ剤や安定剤などの向精神薬も有効です。便秘や口の渇き、排尿障害といった副作用も報告されているので、医師と相談して適切な治療を受けましょう。
情緒不安定にはデパスなどの抗不安薬や睡眠薬で対処
情緒不安や不安感が強いときは抗不安剤、睡眠薬による治療があり、デパス、マイスリーなどの薬がよく用いられます。これらには不安や緊張を和らげる、穏やかな眠りに導く、筋肉の緊張をほぐすといった効果がある一方で、女性ホルモンの働きを乱し月経を止めてしまったり、長期服用することで依存性が出る場合もあります。
ドラッグストアで買える更年期治療薬のおすすめランキング
ドラッグストアで婦人薬を購入することもできます。更年期の症状は自覚しているけれど病院は敷居が高いし、まずは気軽に試してみたい!という人はドラッグストアに足を運んでみましょう。
更年期障害向けの市販薬は漢方薬をベースに処方されているものがほとんどです。漢方系の薬は服用する人の体質によって処方される薬が変わってきます。これは漢方独特の考え方で、簡単にいうと
実証(体力がある、筋肉質、血行がいい、便秘気味、暑がり)
虚証(体力がない、華奢、顔色が悪い、下痢気味、寒がり)
と分けられ、同じ症状を持っていても実証の人に合ったものを虚証の人が服用すると体調を崩してしまう可能性も。自分に合ったものを服用することでその効果が実感できます。では、おすすめの市販薬を紹介します!
第5位 クラシエ「当帰芍薬散」
体力のない虚証の人向けで体を温めながら余分な水分を取り除いてくれます。当帰、芍薬、川芎、茯苓、蒼朮、沢瀉が配合され、おもに月経不順、貧血、めまい、たちくらみ、頭痛、腰痛、冷え性、むくみなどに効果があります。胃腸の弱い人が服用すると食欲不振や下痢などを起こすことがあるので注意しましょう。
【参照ページ】
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200111C1089_1_05/
第4位 クラシエ「加味逍遙散」
虚証ほどではないが、比較的体力のない人向け。冷え性、月経不順、不眠症のほか女性ホルモンの変動による不安感やイライラにも効果的。発疹、食欲不振、嘔吐、下痢などの副作用が報告されています。当帰、芍薬、白朮、茯苓、柴胡、牡丹皮、山梔子、甘草、薄荷、生姜が配合されています。
【参照ページ】
https://allabout.co.jp/r_health/healthdb/medicinedb/detail/355213/
第3位 ツムラ「ラムールQ」
延胡索、鹿子草、当帰、芍薬、桂皮、川芎、牡丹皮、茯苓、蒼朮などが配合されています。更年期障害、冷え性やそれに伴う疲労感、肩こり、イライラなどに効果があります。一方で服用すると眠気、だるさ、下痢などの症状が報告されています。
口コミ
イライラがなくなり気分がゆったりし、頭痛肩こり、生理前になると必ず出来てた口内炎や便秘にならず、調子が良いな~と思っていたら、いつの間にか生理が始まり、最近生理痛が酷くなっていたのに、全く痛みがなく、有難い商品です。
自分の為、家族に迷惑かけない為にも、今後も買い続けていきます。
https://www.cosme.net/product/product_id/287413/review/307466562
第2位 小林製薬「命の母」
どんな体質の人でも服用できる薬。大黄、川芎、牡丹皮、紅花、当帰、芍薬、鹿子草、桂皮、香附子、人参、蒼朮、茯苓、呉茱萸、半夏などが成分です。更年期のさまざまな症状に効果があり、おもにイライラ、不安感、だるさ、ほてり、頭痛、肩こりといった不調の改善が期待できます。服用することで便秘や下痢の症状が出る人もいます。
口コミ
https://www.cosme.net/product/product_id/281000/review/504764692
第1位 タケダ「ルビーナ」
虚証やそれより少し体力のある人に向いています。血の巡りをよくする「四物湯」と水分代謝や自律神経の働きを整える「苓桂朮甘湯」の二つの処方を組み合わせたもので当帰、芍薬、茯苓、桂皮、川芎、地黄、蒼朮、甘草などの漢方が含まれます。ホットフラッシュ、冷え症、めまい、頭痛、不眠、動悸、肩こりなどに効果を発揮します。悪心、嘔吐、食欲不振、胃部膨満感などの副作用が報告されています。
口コミ
全く期待してなかったんですが(笑)
でも飲んだ次の日から浮腫とほてりの状態となりかなり体調不良で体質に合わないのかと思ったりもしました。でも3日目に生理がきました。ルビーナ凄い!感激しました!
それまでは異常に顔色が悪かったのが飲んでからは血が巡って血色が良くなりました。これからも飲み続けます。
https://www.cosme.net/product/product_id/354845/review/504678423
更年期障害の不調は、病院の治療だけでなく市販薬やサプリも上手に摂り入れて!
更年期障害の症状によって、気持ちや身体が今まで通りにコントロールできなくなるのはとてもつらいですよね。子育て、仕事、介護…何かとストレスの多い世代ですが、自分をいたわることも大切です。症状が重い場合はもちろん病院へ行くのが一番ですが、まずは手軽な市販薬やサプリメントにトライしてみるのも手です。自分に合ったものを見つけたら、心身の心強いサポートになることは間違いありません。無理をしないで一緒に明るく年齢を重ねていきましょう!
- 食事や睡眠などの生活習慣の改善をこころがけましょう。
- 自分を癒すアロマオイルでリフレッシュするのもおすすめです。
- 症状の緩和にはエクオールサプリメントや市販薬も効果的!