寝だめNG?睡眠負債とは?チェックリスト・返済方法まで徹底解説
睡眠不足に悩まされる現代。最近では昼寝スペースを設ける企業があるほど、睡眠に対する意識は強くなってきています。中でも注目は「睡眠負債」。
日々のちょっとした睡眠不足が積み重なり、まるで借金のように増えていくことを睡眠負債といい、健康への影響が心配されています。
「まさか私も睡眠負債抱えてる!?」チェック方法や負債の返済方法までしっかりとレクチャーします!
見出し
睡眠負債ってなに?睡眠不足とどう違うの?
最近テレビや雑誌などでよく取り上げられていて、2017年には流行語大賞にもノミネートされた「睡眠負債」。
「睡眠負債って何なの?睡眠不足とどう違うの?」と思った方も多いのでは?まずは睡眠負債とは一体何なのか、睡眠不足との違いについてご紹介します。
毎日の睡眠不足が積み重なって「睡眠負債」へ
睡眠負債とは、毎日の睡眠不足が積み重なった状態のことを言います。
アメリカのスタンフォード大学の研究者によって提唱されたことがきっかけで、昨年大きな話題を呼びました。
睡眠負債が私たちの心身に及ぼす影響について、現在さまざまな大学で研究が行われているのです。
「負債」は雪だるま式に増える……まさに借金!
毎日6時間ほど睡眠を取っている人は、おそらく自分では睡眠時間をちゃんと取れていると思っているでしょう。
しかし、実際は睡眠時間が足りていないかもしれません。
そのような小さな睡眠不足は、雪だるまのように少しずつ積もっていき、まるで借金のように溜まっていくとも言われています。そうして蓄積された睡眠負債は、時間をかけてじわじわと私たちの心身に影響をおよぼしているのです。
睡眠負債は自分では気付きにくい
アメリカのペンシルバニア大学の研究によると、6時間睡眠を2週間ほど続けた被験者の脳の働きは、2日間徹夜した被験者と同じくらいのレベルにまで低下したという結果が報告されました。
しかし不思議なことに、6時間睡眠の被験者は脳の働きの低下を自覚していませんでした。つまり、自分では気付かないくらいのわずかな睡眠負債によって徐々に脳の働きが低下していたのです。
このように、睡眠負債は自分では気付きにくいという特徴があります。極端に短い睡眠時間でない限り「睡眠時間はちゃんと取れてるから、私には睡眠負債なんてない!」とつい考えがち。
しかし実際は本来必要な睡眠時間より足りず、睡眠負債を溜めて、知らず知らずのうちに脳の働きが低下している人も少なくないと考えられます。
こうやって睡眠負債は溜まっていく。現代人の睡眠事情
現代人の多くは長時間勤務や家事、育児、介護などで忙しい毎日を送っています。そのため、睡眠時間を満足に取れていない人も多いと言われています。この章では、そんな現代人の睡眠事情について見ていきましょう。
働き盛りの世代につきもの、慢性的な睡眠不足
2015年に厚生労働省が行った国民健康・栄養調査によると、1日の平均睡眠時間は男女ともに「6時間以上7時間未満」がもっとも多く、「5時間以上6時間未満」と合わせると約7割という結果になりました。
つまり、約7割の人が睡眠を7時間以上取れていないのです。
睡眠時間の確保を妨げる主な要因として、男性は仕事を挙げる割合が20~50代でトップでした。一方、女性は30代が育児、40代は家事を挙げる割合がトップだったのです。
現代の女性は、仕事に加えて家事・育児などで毎日大忙し!それらをこなすために、ついつい「寝る時間を削ればいい」と考えて睡眠を疎かにしがちです。
しかし、毎日の小さな睡眠不足が積み重なる「睡眠負債」は、想像以上に大きなダメージにつながります。そのため、できるだけ毎日きちんと睡眠時間を確保することが大切です。
NSF(アメリカ国立睡眠財団)によると、年齢別の最適な睡眠時間は以下のようになっています。
18~25歳 | 7~9時間 |
26~64歳 | 7~9時間 |
65歳以上 | 7~9時間 |
ちなみに、厚生労働省が発表している「健康づくりのための睡眠指針2014」でも、必要な睡眠時間に個人差はあるものの約6~8時間あたりが妥当だと記載されています。日中に、眠気で困らない程度の睡眠時間が目安と言えるでしょう。
「睡眠不足大国」日本
OECD(経済協力開発機構)が2014年に行った調査によると、日本人の平均睡眠時間は約7時間40分ということが分かりました。
じつはこの数値、調査対象の29カ国中2番目に低く、日本はまさに睡眠不足大国なのです。その主な原因は、以下のような項目だと言われています。
- 長時間労働
残業などで帰宅が遅くなると、睡眠時間の確保が難しくなります。また、遠距離通勤も睡眠時間が少なくなりがちです。 - 夜型の生活
受験勉強やインターネット、ゲームなどでつい夜更かしをしがち。夜勤などで、充分な睡眠時間が取れない人も多いです。
また、日本人特有の真面目で勤勉な国民性も、睡眠時間に影響している可能性があります。たくさん眠ることに罪悪感を感じて、睡眠時間を削ってまで頑張ってしまう人も少なくないようです。
子供にも迫りくる!睡眠負債
日本小児保健協会が行った幼児期の睡眠習慣に関する調査によると、1歳6ヶ月~6歳児において、22時以降に寝る子の割合が増えています。
また、厚生労働省が行っている21世紀出世児縦断調査でも、21時より早く寝る子供は5人に1人以下という結果が出ています。
このような調査結果から、近年の子供の生活リズムは夜型傾向にあり、寝る時間がとても遅いことが分かります。
これは、親が残業で帰宅が遅いことなど、親のライフスタイルが子供の睡眠に影響していると考えられています。
また、日本の小中高校生は世界的にも夜更かしをすることで有名です。これはテレビの深夜番組やゲーム、受験勉強や夜遅くの塾通いなどが原因と言われています。子供が夜更かしをすると、以下のような影響が起こります。
登校時間が朝早いにもかかわらず夜更かしをすると、必然的に睡眠時間は短くなります
↓
睡眠時間が短いと疲れはとれず、朝起きても頭がボーっとしたまま登校することに…
↓
前日の睡眠不足が影響して、日中に強い眠気を感じます
↓
眠気で授業に集中できず、頻繁に居眠りをしてしまう…
小中高校生の時期は、健やかな成長を妨げないことが大切です。
そんな大切な時期に慢性的な睡眠不足に陥ると、心身の発達に悪影響を及ぼす恐れがあります。
勉強も大切ですが、子供の健やかな成長のためには、きちんと睡眠を取ることが欠かせないのです。
脳への影響は見過ごせない。睡眠負債によるリスク
睡眠負債の蓄積は、徐々に私たちの心と身体に悪影響をもたらします。短期的には仕事や日常生活に支障をきたし、長期的には私たちの命にかかわるような病気につながる可能性があります。
では具体的に、睡眠負債によってどんなリスクが生じるのでしょうか?
睡眠負債が脳や心身に及ぼす影響
睡眠不足は日中の眠気だけでなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能などさまざまな機能に大きな影響を及ぼすとされています。
すると、日常生活で以下のような症状が現れやすくなります。
強い疲労感・倦怠感 | 疲れやだるさが原因で、仕事のペースが落ちる、会議中に居眠りをしてしまう |
注意力散漫 | 脳の働きが低下することで、普段ならしないような些細なミスが増える |
抑うつ状態 | 強い憂うつ感によって、何をしても楽しめない、日常生活が億劫になるなど、うつ病を発症する恐れも |
上記のような状態が長期間続くのは、非常に危険です。睡眠不足で頭や身体が働かなくなると、仕事中に事故などを起こす恐れがあります。
すでに上記のような症状が現れている場合は、早めに対策をとりましょう。
うつ病や糖尿病、がん、認知症につながる可能性も
慢性的な睡眠不足の人は、肥満や高血圧、糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病になりやすいことがあきらかになっています。
その理由はまだ明確には分かっていませんが、以下のような要因が挙げられます。
睡眠の乱れが、他の生活習慣の乱れを引き起こしやすい
夜更かしなどで朝起きられなくて朝食を抜いてしまう、などが一例です。また、睡眠不足で疲れているため運動より休養を優先して、結果的に運動不足に陥りがちです。
睡眠不足によって、食欲やエネルギーバランスに作用するホルモンが影響を受ける
たとえ健康な人であっても、睡眠不足がたった2日続いただけでホルモン分泌に変化が現れます。
食欲を抑えるレプチンの分泌量が減り、反対に食欲を高めるグレリンの分泌量が増えてしまいます。
体内時計のずれ
夜勤に入ると、体内時計と生活時間との間にずれが出やすくなります。体内時計にとって望ましくない時間に食事を摂ることも、生活習慣病の原因のひとつになると推測されています。
睡眠負債チェック方法3つ
最適な睡眠時間には、人それぞれ差があります。では、果たしてあなたは睡眠負債が溜まっているのでしょうか?
ここでは、気になる睡眠負債のチェック方法をご紹介します。以下の3つの方法でチェックしてみましょう。
目覚ましなしで寝てみる
まずは、平日と休日の睡眠時間を比較してみましょう。暗くて静かな寝室で、休日に目覚ましをかけずにひたすら寝てみます。
途中で目が覚めても、そのまま寝られるまでとことん寝てみます。もうこれ以上寝られない!という限界まで寝てみるのがポイントです。
このときの合計睡眠時間を覚えておきましょう。
では、この方法で寝た合計睡眠時間と、いつもの平日の睡眠時間との差はどれくらいありましたか?
その差が2時間以内なら、睡眠負債はほとんどないと考えられます。
一方、3時間以上差があった人は要注意!3時間差なら1日に1時間、4時間差なら1日に2時間の睡眠負債が溜まっているということになります。
エプワース眠気尺度テスト
エプワース眠気尺度テストとは、睡眠時無呼吸症候群の診断に使用されるテストのことです。生活の中の8つの場面について、どれくらい眠くなるかについて答えます。
もし以下の状況になったとしたら、ウトウトと数秒~数分間眠ってしまうと思いますか?最近の日常生活を思いうかべてお答えください。
参考:日本呼吸器学会 日本語版 the Epworth Sleepiness Scale
11点以上は要注意!
日中の眠気が強いと判断されます。睡眠時無呼吸症候群の可能性があるので、病院の呼吸器内科や睡眠外来などを受診することをおすすめします。
また、11点未満であっても日中に強い眠気を頻繁に感じる人は、睡眠負債が溜まっているかもしれません。
睡眠負債チェックリスト
2017年6月、NHKスペシャルで「睡眠負債が危ない」という特集が組まれました。番組では、睡眠負債とは何なのか、睡眠負債による心身へのリスクや睡眠負債の返済方法などが放送され、大きな話題を呼びました。
そしてこの番組をきっかけに、「睡眠負債」という言葉が日本中で知られるようになったのです。
NHKスペシャルの公式サイトでは、滋賀医科大学・角谷寛教授が監修された「睡眠負債リスクチェック」が掲載されています。
あてはまる項目にチェックを入れるだけで、あなたの睡眠負債リスクが判定できるのです。
果たして、あなたの睡眠負債リスクはどれくらいなのでしょうか?気になる方は、こちらからでぜひ一度チェックしてみてください。
これぞTHE・ダメ行動!その名も「寝だめ」
働き盛りの世代では、平日に必要な睡眠時間を確保するのは難しいかもしれません。
そのため、平日の睡眠不足を休日にまとめて解消しようとする「寝だめ」をする人が多いようです。
しかし、寝だめは睡眠負債の返済に逆効果となってしまいます。
まず、そもそも睡眠は溜めることができません。
睡眠不足が蓄積されると、寝だめでは疲れや作業能率の回復が充分にはできません。
どんなに休日にたくさん眠っても、平日に睡眠不足だと身体は耐えられないのです。
そのため、休日の朝にまとめてたくさん寝ることよりも、平日の夜に早く寝て睡眠時間を確保しようとする方が、睡眠負債の返済には良いでしょう。
また、休日に遅くまで寝ていると、光による体内時計の調整が行われません。すると、体内時計が狂って生活が夜型化してしまいます。夜型化すると、日曜日の夜になってもなかなか寝付けなくなり、月曜日の朝に起きられず寝坊の原因になってしまいます。
せっかくの休日くらい、思いっきり寝たい気持ちはよく分かります。
しかし、休日の寝だめによって月曜の朝に起きられないのは本末転倒です。
身体のリズムを乱さないためにも、休日でも昼まで寝るのは避けた方が良いでしょう。
絶対返済したい!睡眠負債を溜めないメソッド集
毎日の睡眠不足が重なって睡眠負債が溜まると、私たちの脳や身体へ大きな悪影響があることが分かりました。おそらく多くの人は、多かれ少なかれ睡眠負債を溜めていると考えられます。
では、すでに溜めてしまった睡眠負債は、どうやって返済すれば良いのでしょうか?
やっぱりココから、睡眠方法を改善
睡眠負債を返済するには、まずは睡眠環境や方法を改善するのが1番です。この章では、睡眠環境の具体的な改善策について見ていきましょう。
睡眠ホルモンをコントロール
毎日快適な睡眠を取るためには、メラトニンというホルモンの分泌リズムを整えることが大切です。メラトニンは脳の松果体(しょうかたい)で合成され、睡眠・覚醒のリズムやホルモン分泌のリズムなどを調整する作用があります。また催眠作用があることから、睡眠ホルモンとも言われています。
メラトニンの分泌リズムを決めるポイントは、「光」です。
じつはメラトニンは、明るい光を浴びることによって分泌が抑制されます。そのため一般的に日中は分泌量が少なく、夜に分泌量が多くなるのが特徴です。
しかし、夜に強い光を浴びるとメラトニンの分泌量は減ってしまい、スムーズな睡眠を妨げる原因になってしまいます。
そのため、スマートフォンのブルーライトやコンビニの明るい照明は、夜になるべく浴びない方が良いでしょう。
そのほかにも、メラトニンの分泌リズムを整えるために、以下のようなことを実践するとより効果的です。
- 朝起きてすぐ、太陽の光を浴びる
朝の光には、後ろにずれる体内時計を早める作用があります。起きたらまずはカーテンを開けて、自然の光を部屋の中に取り込むのがおすすめです。 - 寝る前の寝室の照明は暗めにする
寝室の照明が明るすぎると睡眠の質が低下してしまいます。必ず真っ暗でなくても良いですが、不安にならない程度の暗さにすると良いでしょう。
メラトニンの分泌リズムを整えるには、ある程度の時間がかかります。きちんとリズムが整うように、根気よく続けることが大切です。
睡眠時間コントロール法:平日ちょっと長く&休日は寝すぎない
まず平日は、今までの睡眠時間よりちょっと長くとることを意識します。とは言え、平日にいきなり数時間も睡眠時間を増やすのは現実的に難しいですよね。
そんな人は、まずは夜に15分や30分早くベッドに入ってみるだけでもOK。そこから徐々に就寝時間を早めていけば、無理なく睡眠時間を確保しやすくなるでしょう。
一方で時間がある休日は、平日と違って寝すぎないことが大切です。
疲れているからと言って、お昼頃まで寝たり1日中ダラダラと寝続けるのはNG。
休日の睡眠は、平日より2時間多い程度にとどめると良いでしょう。あくまでも、次の月曜の朝の起床を妨げない程度にとどめることがポイントです。
「昼寝」は1番のお手軽返済法
「平日の夜はどうしても睡眠時間を増やせない…」そんな人は、日中に昼寝を取り入れてみるのはいかがでしょうか?
昼寝は午後の眠気を解消して、活力を与えてくれる働きがあります。時間は15~30分くらいでOK。会社の昼休みなどに少し昼寝をすることで、頭がスッキリして仕事の効率アップが期待されます。
ただし、横になって本格的に眠るのはNG。椅子などに座ったままで寝るのがポイントです。アイマスクなどを使用するのもおすすめです。
眠りの質を上げる
睡眠負債を返済するには、ただ睡眠時間を確保するだけじゃなくて、睡眠の質を高めることも大切です。睡眠の質を高めるための主なポイントは、以下の2つです。
- 寝る前にリラックスした状態をつくる
寝る時間が近づくと、脳は目覚めた状態から徐々にリラックスした状態に変わり、そして睡眠に入っていきます。スムーズに眠るためには、このような脳の変化を妨げないことが大切です。心地よい音楽や軽い読書、ぬるめの入浴など自分に合った方法でリラックスした状態を作りましょう。 - 快適な睡眠を妨げない寝具を選ぶ
質の良い睡眠を取るためには、寝具選びがとても大切です。寝具は吸湿性・放湿性が良くて、保温性が高いことが条件です。また、立ち姿勢に近くて身体への負担が少ない寝相を保つことも大切です。
食事でもアプローチ!3つの心得
食事によって、直接的に快眠がもたらされるわけではありません。しかし、食べるものや食べる時間などによって、夜の睡眠を妨げてしまう場合もあります。それは一体どんなことなのでしょうか?
夕食は寝る3時間前までに
良い睡眠のためには、夕食は寝る3時間前までに済ませるのが望ましいと言われています。しかし、一方で「食後って眠くなるから、寝る前の食事っていいんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。
食後に眠くなる理由は、主に血糖値の変化によるものだと考えられます。
一般的に食後に血糖値が上がりきった後、今度は血糖値が下がります。
すると、リラックスを促す副交感神経が優位になり、眠気を感じることが多いのです。ですが、寝る前に食事をすると寝ている間も消化活動が行われるため、脳や身体がしっかり休まらず、睡眠が浅くなってしまいます。
深い睡眠をしっかり取るためには、食後すぐに寝るのは望ましくないでしょう。
残業続きの日は「分食」を意識して
毎日夜遅くまで残業している人は多いでしょう。
夜遅くまで仕事をしたら、帰る頃にはお腹がペコペコ!
そのため、帰宅後についついお腹いっぱい食べてしまう人も多いのでは?
夜遅くにお腹いっぱい食べてしまうと、寝ている間に消化が追い付かず、翌朝の胃もたれなどで朝食が食べられなくなる恐れがあります。
毎日残業で夜遅くに帰宅する人は、夕方頃に軽食を摂っておくと良いでしょう。おにぎりやサンドイッチなど糖質を含む食べ物がおすすめです。ただし、菓子パンは脂質が多いので避けましょう。
そして夜帰宅した後は、消化に良いものをほんの少し食べる程度にとどめておくと、翌朝の影響を受けにくくなります。
スープやサラダ、豆腐なら短時間で手軽に食べられて便利ですね。
睡眠に良い食べ物
毎日快適な睡眠を取るためには、じつは日頃の食生活も大切です。特に、夕食はその後の睡眠に及ぼす影響が大きいです。
そのため、夕食は消化に時間のかからない食べ物を選ぶのがおすすめ。
特に脂質は消化に時間がかかるため、夜遅くに油っこい食事を摂るのは避けた方が良いでしょう。
一方、朝食は簡単なもので良いので食べるのがおすすめ。
脳のエネルギー源として、糖質を補給するのが望ましいです。
朝食を摂らないと、エネルギー不足で日中の活動が低下して、夜の睡眠に影響してしまいます。
また、コーヒーや緑茶、チョコレートなどに含まれているカフェインには覚醒作用があります。その効果は3時間ほど続くと言われています。
また、利尿作用もあるため、夜中に尿意で目が覚める原因になりやすいです。敏感な人は寝る5~6時間前から控えると良いでしょう。
ちなみに、アルコールは一時的に寝付きを良くします。しかし、明け方の睡眠を妨げてしまいます。そのため中途覚醒が増えて睡眠が浅くなり、熟睡感を得られなくなるので、睡眠薬の代わりに飲むのは良くありません。
運動でもアプローチ!3つの心得
国内外の疫学研究において、運動習慣がある人には不眠が少ないことが分かってきています。では、睡眠負債を返済するためには、どのように運動を取り入れれば良いのでしょうか?
ジョギングするなら朝?夕方?夜?
一般的に、睡眠に効果的な運動のタイミングは夕方~夜だと言われています。寝る3時間くらい前が望ましいでしょう。
寝る数時間前に運動することで脳の温度が一時的に上がり、その後寝る時の脳の温度が、運動しない時より低下します。
睡眠は脳の温度が低下する時に出現しやすくなるため、結果的に快眠を得やすくなるのです。
ただし、寝る直前の運動は身体を興奮させてしまうので避けましょう。
激しい運動はNG!30分の散歩で十分
いくら運動が睡眠に良いからと言っても、激しい運動はおすすめできません。かえって夜の睡眠を妨げてしまいます。
身体への負担が少なく、長続きするような有酸素運動がおすすめです。少し早足の散歩や軽いランニングなどが良いでしょう。
ちなみに、女性に人気のヨガは副交感神経を優位にするため、疲れない程度で短時間なら良いでしょう。
一方、ピラティスは胸式呼吸によって交感神経を優位にします。そのため、夜より日中に行うのがおすすめです。
睡眠の質を上げる「安眠ストレッチ」
1日頑張った身体は、凝り固まってガチガチに!そんな身体を、ストレッチで心地よくほぐしませんか?リラックスを促して、より快適な睡眠を取りやすくなるでしょう。
- 睡眠の質の改善が期待される運動
寝る前に、椅子に座って1分でできるカンタンな運動をご紹介します。
① 椅子など足がダランとできる所に座ります。
② 肩や足首、つま先など全身に5秒程度力を入れます。
③ 身体をダラーンと一気に脱力します。これを3~5回繰り返します。
全身に力を入れた後、一気に開放して脱力することでリラックスを促してくれます。普段ついつい身体に力が入りがちな人はぜひお試し下さい。 - 安眠ヨガ
今回はベッドの上でできるシンプルなポーズ「ねじりのポーズ」をご紹介します。
① 仰向けになって、両足を胸の方に抱きかかえます。
② 片足だけ床に下ろして伸ばし、もう片足を反対側の床に下ろして、身体ごと横を向きます。(左足を伸ばした場合は、右足を左側の床に下ろす。身体も左側に。)
③ 伸ばした足と反対側の腕を頭上に上げて、身体を伸ばして腰の位置を調整します。
④ そのまま腕を横にして胸を開き、身体をねじって指先の方を見ます。この状態で5呼吸キープします。足を元に戻し、反対側も同様に行います。
ポーズを上手にとろうとするあまり、呼吸がおろそかにならないように注意!呼吸は、吸う時よりもゆっくり息を吐くことがポイントです。
「寝だめNG?睡眠負債とは?チェックリスト・返済方法まで徹底解説」まとめ
今回は、睡眠負債のリスクや賢い返済方法についてご紹介しました。
仕事に家事、育児、介護など現代の女性は本当に忙しい!どれもちゃんと頑張りたい、だからついつい睡眠時間を削ってしまう…そんな女性はたくさんいるでしょう。頑張りたいという気持ちは、私もとてもよく分かります。
ですが、心身が健康じゃないと毎日頑張れません。今夜からは、少し早めに就寝しませんか?
大切な自分の心身のために、毎日きちんと睡眠を取ることも忘れないでくださいね^ ^
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