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アレルギーのクラスとは?アレルギー検査結果の見方を完全ガイド

いまや多くの人にとって身近な存在となったアレルギー。

アレルギーには花粉症やアトピー、食物アレルギーなどさまざまな種類がありますが、原因を正確に診断するには医療機関での検査が必要です。

今回はアレルギー検査の種類や方法をはじめ、検査結果の見方をわかりやすく徹底解説!病院で検査結果を聞いても、その場でドクターに細かく質問するのはなかなか勇気がいりますよね。

「検査結果を家で見直したら、わからないところが盛りだくさん…!」なんてこともよくある話です。

そんなあなたも心配いりません、アレルギー検査結果の見方をトコトン掘り下げてしっかりと解説します(^^)/

アレルギー検査、何科に行けばいい?

アレルギーの検査を受けたい!さて何科の病院へ行きますか?

結論から言うと症状が強く出ている部分を専門にする科の受診で問題ありません。

目がかゆいなら眼科へ、皮膚にかゆみが出ているなら皮膚科へ、鼻炎や鼻づまりなら内科や耳鼻科がいいでしょう。

最近メジャーになってきた「アレルギー科」は、基本的にどんな症状でも見てくれます。

しかしアレルギー科は、「内科・アレルギー科」「小児科・アレルギー科」など、主要な科に併設されているケースがほとんどです。

なかにはアレルギー科と「名前を入れているだけ」という病院が存在するのも事実…。

実際に私がアレルギー診断を受けに「アレルギー科」と書かれた病院に行ったものの、「アレルギーかな?かゆいなら、皮膚科に行ったら?」と言われた経験があります(涙)

受診する前に電話でアレルギー検査について聞いておくと安心ですね。
 

アレルギー検査の種類と費用

主にアレルギー検査というと血液検査を指すことが多いです。

しかし他にもいくつか種類があります。

症状や疑われるアレルギーによって検査方法が変わってくるので、どのような検査があるか知っておいて損はありません。

ここでは気になる費用とあわせて紹介していきます。

費用はいずれも検査にかかる料金を指し、初診料や診察料は含みません。

また症状がない状態で、単にアレルギーの有無が知りたい場合、保険適用にはならず自己負担となります。
 

問診

「え?ただの問診が検査?」そう思った方もいるのではないでしょうか。

ことアレルギー検査において、問診はとても大切な診断プロセスです。

食物アレルギーのように、診察時に症状が出ているとは限らないアレルギーもありますね。

そんなときに医師が頼りにするのが、アレルギー症状が出た時の状況が書かれた問診表です。

HPで問診表をあらかじめ用意している医院もありますので、受診の前に自分のアレルギーの症状をしっかりまとめておくといいでしょう。
 

皮膚検査


 

パッチテスト

パッチテストは皮膚のかぶれ、皮膚炎の診断に使われる検査です。

最近では金属アレルギーが疑われる際にも有用とされています。

テストの結果は、陰性・偽陽性・陽性(反応の強さでさらに段階が分かれる)で判定されます。

パッチテストは保険適用の検査です。

検査するアレルゲンの個数にもよりますが、およそ1,000円と考えておけばいいでしょう。
 

スクラッチテスト・プリックテスト

スクラッチテストとプリックテストは、腕の内側などにアレルゲンを含む薬剤を置き、その上から出血しない程度の小さな傷をつけ、反応を見る試験です。

プリックとは「針で刺す」こと、スクラッチとは「ひっかき傷」のことです。

一般的に体内へのアレルゲンの侵入が一番少ないプリックテストが第一の選択肢となります。

スクラッチテストは保険適用の検査です。

アレルゲンの項目数や病院によって差はありますが、1,000円~3,000円程度になるようです。

プリックテストも保険が適用される検査で、1項目につき400円程度になります。
 

皮内テスト

皮内テストとは微量のアレルゲンを体内へ注射するテストです。

体内へ直接アレルゲンを注入するため、場合によっては全身にアレルギー症状が出るケースもあります。

医師の判断のもと実施しますが、あまり行われない検査とも言えます。

1項目につき600円ほどが目安のようです。
 

食物除去試験

食物除去試験とは、アレルギーが疑われる食べ物を2~4週間ほど絶対に食べないようにして(完全除去)、アレルギー症状がおさまるかどうかを見るテスト方法です。

次に紹介する「食物負荷試験」の前段階として行われることが多く、除去試験で疑いが強まった食物を、食物負荷テストで確定させる流れになります。

 

食物負荷試験

食物負荷試験とは、食物アレルギーが疑われる食品を、ごく少量から3~5回ほどに分けて摂取し、数時間にかけて症状を見ていくテストです。

血液検査や食物除去テストの確定診断として行われ、意図的にアレルギー症状を引き起こすタイプの検査なので、慎重に実施する必要があります。

食物負荷テストは9歳未満であれば保険適用です。

外来の場合は保険適用で3,000円~4,000円ほど。

入院して行う場合は、保険適用でも20,000円~40,000円となります。
 

血液検査

アレルギー検査といえば血液検査をイメージする人も多いですよね。

アレルギー検査における血液検査はスクリーニングテストといって、あらかじめ決まった項目からアレルゲンを調べるタイプの検査です。

いわゆる「アレルギーのクラス」も血液検査の結果から得られます。

ここから先は血液検査の内容と結果の見方を詳しく見ていきます。
 

IgE抗体ってなに?血液で調べるアレルギー検査

アレルギーのクラスの意味を理解するためには、まず血液検査で得られる値について知っておかないといけません。

アレルギー体質の人やアトピーの人はきっと聞いたことがある「IgE抗体」からわかりやすく解説していきます。
 

IgE抗体とは

私たちの体は、ウイルスや細菌などの異物から守る機能を日々備えています。

この機能が免疫機能です。アレルギー反応とは、いわば免疫機能のエラー状態です。

免疫機能のエラーとは、花粉や食物など体にとって無害なものに対して過剰な防衛反応を起こしてしまう状態。

この状態がアレルギー反応であり、その際に体内で作り出されているのが、「IgE抗体」という物質です。

つまりIgE抗体の量が、アレルギーの有無を判断するひとつの目安となるわけです。
 

「特異」=「専用」!特異的IgE抗体と非特異的IgEの違い

IgE抗体はアレルゲンの侵入により作られ、一種類のアレルゲンにつき専用のIgE抗体となります。

例えば、アレルゲンがダニであればダニ専用IgE抗体、アレルゲンが花粉であれば花粉専用IgE抗体が作られるのです。

この「専用」を意味する言葉が「特異」です。

「特異的IgE抗体」とは、各アレルゲン専用の抗体です。

一方「非特異的IgE抗体」とは、種類の区別をせずすべての抗体を指しています。
 

非特異的IgE抗体検査(RIST)

非特異的IgE抗体検査とは「総IgE検査」とも呼ばれ、IgE抗体全部の量を調べます。

検査の英語表記の頭文字をとってRIST(リスト)と称されることもあり、アレルギー体質の診断や経過観察で使われることが多いです。
 

特異的IgE抗体検査(RAST)

各アレルゲンに反応するIgE抗体=特異的IgE抗体の量を、アレルゲンごとに計測するのが特異的IgE抗体検査:RAST(ラスト)です。

項目を決めて検査するRASTには、いくつか種類があるので見ていきましょう。
 

特異的IgE抗体検査:Cap-RAST

RAST検査で調べられるアレルゲンは200種類以上にのぼります。

そのうち保険適用できる範囲である13項目を自分で選んでチェックできるのがCap-RASTです。

疑われるアレルゲンを医師とよく相談して選択して検査しましょう。

保険適用となる13項目までは、およそ4,500円

13項目を超えた分は、すべて自費となります。
 

MAST36

Cap-RASTがチェックしたいアレルゲンを自分で選べるのに対して、MAST36は決められた項目をチェックしていきます。

項目を選べないかわりに項目数は36項目とCap-RASTの約3倍。

アレルギーの原因を特定しづらいときなどに有用です。

保険適用で5,000円~6,000円ほどです。

 
MAST36で測定できるアレルゲン

食物アレルゲン(20) 卵白/オボムコイド(卵の成分)/牛乳/小麦/エビ/力二/ソバ/ピーナッツ/キウイ/バナナ/ゴマ/大豆/米/マグロ/サケ/豚肉/牛肉/鶏肉/トマトモモ
花粉アレルゲン(8) スギ/ヒノキ/ヨモギ/ブタクサ混合物Ⅰ/オオアワガエリ/カモガヤ/ハンノキ/シラカンバ
環境アレルゲン(4) コナヒョウヒダニ/ハウスダストⅠ/ネコ皮屑/イヌ皮屑
その他アレルゲン(4) カンジダ(カビ系)/アルテルナリア(カビ系)/アスペルギルス(カビ系)/ラテックス

※赤字はView39にはない項目
 

Viewアレルギー39

一度に最も多くの項目を調べることができるのが「View39」です。

MAST36から単に3項目増やしたというわけではなく、全体の項目内容がほんの少し違います。

こちらも保険適用でおよそ5,000円~6,000円となります。

 
View39で測定できるアレルゲン

食物アレルゲン(20) 卵白/オボムコイド(卵の成分)/牛乳/小麦/エビ/力二/ソバ/ピーナッツ/キウイ/バナナ/ゴマ/大豆/米/マグロ/サケ/豚肉/牛肉/鶏肉/リンゴサバ
花粉アレルゲン(8) スギ/ヒノキ/ヨモギ/ブタクサ混合物Ⅰ/オオアワガエリ/カモガヤ/ハンノキ/シラカンバ
環境アレルゲン(6) ヤケヒョウヒダニ/ハウスダストⅠ/ネコ皮屑/イヌ皮屑/ゴキブリ
その他アレルゲン(4) カンジダ(カビ系)/アルテルナリア(カビ系)/アスペルギルス(カビ系)/マラセチア(カビ系)/ラテックス

※赤字はMAST36にはない項目
 

HRT法(血液検査(ヒスタミン遊離試験))

食物アレルギーにおいては、前述した「食物負荷試験」が一番確かな検査です。

しかし、実際にアレルゲンである食品を摂取するので、リスクも伴います。

その点このHRT法は、負荷試験よりほんの少し精度は劣るものの、高い精度でアレルゲンの特定ができます。

さらに血液検査のため、体へのリスクもありません。

HRT法では血液にアレルゲンを反応させて、放出されるヒスタミンの量を調べます。

ヒスタミンはアレルギー症状を直接的に引き起こす物質のため、実際に体内で起こる反応に近い状態を調べることができます。

もちろん食物アレルギーに限らず検査可能ですが、検査できるアレルゲンはあまり多くありません。
 
HRT法で測定できるアレルゲン

食物アレルゲン(10) 卵白/オボムコイド/オバルブミン/牛乳/小麦/ソバ/ピーナッツ/エビ/カニ/ゴマ
環境アレルゲン(3) ヤケヒョウヒダニ/ネコ上皮/イヌ皮屑
その他アレルゲン(2) カンジダ(カビ系)/ヒト汗

このうち5項目を1セットとして、保険適用でおよそ2,800円と考えておけばいいでしょう。
 

イムノキャップラピッド

イムノキャップラピッドの最大の特徴は「迅速」で「カンタン」なこと。

指先を専用の針でさし、少量の血液を採取する検査です。

痛みもさほどなく、血液採取も一瞬ですから、注射が苦手なお子さまにもおすすめ。

検査キットになっているため、アレルゲンの種類はあらかじめ決められた8種類です。

 
イムノキャップラピッドで測定できるアレルゲン

花粉アレルゲン(4) スギ/ヨモギ/ブタクサ/カモガヤ
環境アレルゲン(4) ヤケヒョウヒダニ/ネコ上皮/イヌ皮屑/ゴキブリ

ハウスダスト・動物・花粉よりそれぞれ代表的な項目がそろっています。

結果は20分でわかり、「陰性、陽性、強陽性」の3段階で判定が出ます

再来院の必要がないのは嬉しいですね。

保険適用で3,000円程度と考えておけばいいでしょう。

 

アレルギーのクラスとは?検査結果の見方

アレルギーのクラスとは、主に血液検査の結果から得られます。

ここでは非特異的IgE(RIST)、特異的IgE(RAST)、HRT法の3つの検査結果の見方を解説します。

それぞれ数値・判定基準・クラスを説明していきますね。
 

非特異的IgE(RIST値)の結果は数値のみ

RISTではIgEの総量を計測するテストで、クラス分けはなく数値のみの結果となります。

基準値は以下のとおりで、年齢によって変化します。

 
非特異性IgE量(RIST値)の基準値

年齢 総IgE(IU/mL)
1歳未満 20以下
1~3歳 30以下
4~6歳 110以下
7歳~成人 170以下

一般的に総IgEは通年性のアレルゲン、つまりハウスダストやダニ、カビ類などのアレルゲンが陽性の場合、基準値を超えた数値がしばしば見られます。

対して花粉症や食物アレルギーでは、それほど上昇しないことがあります。

アレルギー症状が出ているのに総IgEが低いといったケースも見られるため、ひとつの目安として使われます。

またアレルゲンが特定できない人にとっては、アレルギー症状の経過観察にも有用です。

部屋の中のカビの対策法の記事はこちら

 

特異的IgE(RAST値)の結果=アレルギーのクラス

今回の本題ともいえる「アレルギーのクラス」とは、このRAST検査の結果から得られるものです。

判定 抗体価
(UA/mL)
クラス
陽性 100.0以上 
50.0以上 
17.5以上 
3.50以上 
0.70以上 
擬陽性 0.35以上 
陰性 0.34以下 

検査で得られたIgE抗体価を、7段階に分けてクラス判定としています。

クラスが高いほど、原因アレルゲンである可能性も高まり、症状も重くなる危険性があります。

クラス0は陰性(アレルゲンの疑いなし)、クラス1は疑陽性(アレルゲンである疑い)、クラス2以上は陽性(アレルゲンの可能性が高い)ということです。

ただしIgE抗体とアレルギー症状が完全に一致しないこともあり、検査が陽性であってもアレルギー症状は認められないケースもあります。

 

HRT法

一般的なアレルギーのクラス、つまりRASTのクラス分けが0~6の7段階なのに比べ、HRT法では0~4の5段階で形成されます。

検査結果の一例を見てみましょう。

まずは上の折れ線グラフを確認します。

各アレルゲンごとに反応したヒスタミン量がわかります。

よこ軸:アレルゲンの濃度を示し、E~A(低~高)で表示

たて軸:各アレルゲンの濃さで反応したヒスタミン量の割合

この結果からクラスが分けられ、下の表に明記されています。

陽性の目安は20%のラインです。

今回の例を見ても、どの濃度でもほぼ0%に近い小麦はクラス0、一方、卵白・オボムコイド・オバルブミン(いずれも卵白中の成分)は、濃度が低い段階から高い数値を示しており、クラス4の判定となっています。

クラス0は陰性(アレルゲンの疑いなし)、クラス1は疑陽性(アレルゲンである疑い)、クラス2以上は陽性(アレルゲンの可能性が高い)という判定になります。
 

アレルギー検査結果の注意点

アレルギー検査、特に血液検査における結果の見方はわかりました。

ですが血液検査の結果を見るうえで、知っておくべき注意点がいくつかあります。ひとつずつ確認してみましょう。
 

検査値とアレルギー症状は必ずしも比例しない

血液検査が陽性なら、すなわちアレルギーだと即判断できるわけではありません。

たとえば特異的IgE抗体検査において卵白が陽性であっても、食べられる場合があります。

逆に陰性であってもアレルギー症状が起こる可能性もゼロではありません。

つまり、血液検査はアレルギーの原因を探るためのひとつの指標であり、血液検査の結果だけで確定診断になることはあり得ません。
 

食物アレルギーの数値が高い……絶対食べられないわけではない

前述のとおり、血液検査や皮膚テストの結果だけでは食物アレルギーと確定診断することはできません。

実際に卵白のクラスが最高レベルの6と判定された2歳の子どもに負荷試験を行ったところ、卵焼き(完全に火がとおっている)を1つ完食してしまった例もあります。

また小麦と大豆は、特異的IgE抗体値での確定度合いが低いとも言われ、血液検査のクラスが高くても食べられることもあるようです。

このように食物アレルギーの診断は食物負荷テストが最も信頼できるものですが、実施している病院はまだまだ少ないのが現状です。

血液検査の結果だけで安易に除去するのではなく、その他のアレルギー検査と組み合わせながら、専門医にしっかり相談してください。

逆にこれまで症状が出ていなかったにも関わらず、血液検査の結果が陽性だったというだけで除去してしまうのは本末転倒と言えるでしょう。
 

アレルギーのクラスは年齢によって変わることも

アレルギーの検査結果は年齢で変化することがあります。

幼児期のアトピー性皮膚炎は大人になるにつれて症状が出なくなったり、食物アレルギーも食べられるようになることもあります。

また同じクラスだとしても、年齢によって症状が出る確率が変わるともいわれています。

たとえば卵白がクラス3であった子どものグループを年齢別に見ていったとき、1歳児では約80%の確率でなんらかのアレルギー症状を起こすと言われているのに対し、2歳児になるとその確率は50%に下がるのだそうです。

同じクラスでも症状の発症や重さに差があるということがわかります。

 

「アレルギーのクラスとは?アレルギー検査結果の見方を完全ガイド」まとめ

アレルギーのクラスとは血液検査の数値から判定されていることがわかりましたね。

アレルギーの確定診断には多面的な見方が必要で、ましてや血液検査のクラスだけで自己判断することはできません。

アレルギーの診断に関しては、かかりつけ医とどれだけ症状を共有できるかが重要になります。

日頃から症状についてメモをとっておき、気がかりな点はどんな小さいことでも医師に相談してみることをおすすめします。

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