布ナプキンを使うとどんな効果があるの?妊娠しやすくなるって本当?
生理周期に紙ナプキンではなく、布ナプキンを使用する人が増えてきています。デリケート部分への当たりが優しく、冷え性・不妊改善や生理痛の緩和などさまざまな効果があるとされている布ナプキンですが、果たして本当に効果が得られるのでしょうか。今回は布ナプキンの種類や特徴、得られる効果について紹介します。
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布ナプキンにはどんな効果がある?
実際に布ナプキンを使うとどのような効果を感じられるのでしょうか。一般的な紙ナプキンとの違いが気になりますよね。布ナプキンには紙では感じられないさまざまな効果を期待できます。
生理期間のにおいが気にならない
生理期間は経血のにおいが気になるという人がいますが、実は経血自体は無臭です。紙ナプキンにふくまれる化学物質の石油原料や高分子吸収剤、そしてムレによる雑菌がにおいのもとといえます。
天然素材の布ナプキンにはこうした化学物質が含まれておらず、通気性も比較的良いため、においが発生しにくいのです。
かぶれやかゆみが軽減される
紙ナプキンを装着したときに、かぶれやかゆみを感じたことがある人は多いでしょう。特に夏場は気になりますよね。ほとんどの紙ナプキンは不織物で作られているため肌になじみにくく、皮膚の薄いデリケートゾーンには刺激になります。
そんな紙ナプキンに対して、多くの布ナプキンは通気性の良い素材で作られているので、蒸れによるかぶれやかゆみのトラブルの軽減に期待できます。
冷え性改善で生理痛・排卵痛の軽減が期待できる
生理痛や排卵痛に悩んでいる方は、布ナプキンに変えると痛みが軽くなるかもしれません。生理痛や排卵痛は主に子宮の収縮によって起こるものです。子宮は刺激に敏感で、デリケートゾーンに異物が当たるとそれが刺激となってすぐに反応します。結果として収縮活動が頻繁に起こり、生理痛を引き起こす可能性があるのです。
紙ナプキンには石油系の科学物質が多く使われています。そのため、肌なじみはあまり良いとは言えず、かぶれることも。子宮にとっても紙ナプキンは刺激物であり、生理痛・排卵痛の原因になっている可能性もあるのです。その場合、紙ナプキンを身体に優しい天然素材の布ナプキンに変えることで、痛みの緩和が期待できるといわれています。
また、生理痛・排卵痛の原因は膣や子宮の冷えにもあるといわれています。ほとんどの紙ナプキンには経血の漏れを防止する高分子吸収剤の「高分子吸収体ポリマー」が含まれていますが、これは身体を冷やす作用があり、市販の冷却ジェルシートにも使われているものです。つまり、紙ナプキンの使用が身体を冷やしている可能性が高いと言えるでしょう。
反対に布ナプキンは洋服と同じ重ね着効果があり、装着するだけで血流をよくして身体を温められるという声もあります。冷え性が改善されれば、基礎代謝アップも期待できますね。
更年期の不快症状にも効果的と評判
更年期は月経にも変化が訪れるデリケートな時期です。経血量が減ったり、周期が変わったりして膣周辺が炎症を起こしやすくなります。炎症を防ぐためには、ムレやかぶれの少ない布ナプキンが効果的。また、閉経後のおりものや、更年期に気になる尿漏れの対策にもおすすめです。
更年期と生理については以下の記事も参考にしてみてくださいね!
布ナプキンは不妊に効果あり?なし?
不妊症に悩む人にとって布ナプキンは妊活に効果的といわれています。しかし、果たして本当に不妊体質 が改善されて妊娠できるのでしょうか?
布ナプキンで妊娠しやすくなるって本当?
現段階では、布ナプキンの使用が妊娠に直結する医学的根拠はありません。不妊症の原因はさまざまありますが、中には「冷え」が引き起こすものもあり、体を冷やさないとされる布ナプキンが不妊症の改善に一役買うのではないか?といわれているのです。
今不妊症で悩んでいる人はまずは気軽に始められる対策として布ナプキンの使用を考えてみてはいかがでしょうか。
子宮筋腫の痛みが緩和される
厚生労働省の調査では、女性の4人に1人が子宮筋腫を持っていることが分かっています。子宮筋腫の原因は冷え性やストレスなどさまざまで、不妊の原因のひとつといわれることも。
一度できてしまった子宮筋腫は手術しない限り、なくすことはできません。もちろん布ナプキンで子宮筋腫が改善されることもありませんが、子宮まわりを冷やさないことで痛みの症状はいくぶん緩和できるといわれています。
布ナプキンを使用することで冷え性が改善されると、子宮筋腫による痛みも和らぐでしょう。
子宮内膜症の症状が和らぐことも
子宮内膜症とは、通常子宮の内側だけにできるはずの子宮内膜が、内側以外にできてしまう症状です。現在不妊症の女性のうち20~40%が子宮内膜症であることが分かっています。
子宮内膜症の治療には投薬治療からホルモン治療、根治手術までさまざまな治療法があります。つらい症状は我慢せず、まず診察を受けることが先決です。布ナプキンの使用で子宮内膜症が改善することはありませんが、子宮筋腫と同様に、子宮を温めることで痛みの症状が和らぐといわれています。
前述の通り、布ナプキンは子宮が冷えるのを防止するので、子宮内膜症のつらい症状の緩和に期待できるでしょう。
SNSやブログに振り回されるのはNG
ここまで布ナプキンのさまざまなメリットを紹介しましたが、あくまで可能性のひとつであり、布ナプキンを使用したからといって、病気が改善されたり、妊娠に直結するわけではありません。
SNSやブログなどで布ナプキンをしきりにすすめる人もいますが、「自分も絶対妊娠できる!」と期待しすぎるとかえってストレスになることも。
ストレスは不妊の大敵です。リラックスして軽い気持ちで試してみるくらいがいいでしょう。
布ナプキンって快適?どんな種類があるの?
布ナプキンにはさまざまなタイプがあり、時期によって使うものも違ってきます。自分に合う商品を見つけて快適に過ごしたいものですね。どのタイプも専用の洗剤で洗うと、汚れもきれいに落ちます。
一体型布ナプキン
- 布ナプキンが初めての人も使いやすい
- 経血量に合わせて選べる
- ずれにくい
- 簡単に交換できる
布の厚みはさまざまで、経血の量に合わせて選べます。しっかり固定されるのでずれにくく、1枚式なので持ち運びが便利、さらに交換が簡単と多くのメリットがあります。
ホルダー型布ナプキン
- 吸収体の厚みを変えられる
- 持ち運びがラクチン
- 洗濯が簡単で汚れを落とせる
プレーン型布ナプキン
- 通気性が良い
- ナプキンと気づかれにくい
- 比較的リーズナブル
防水シートが使われていないものは通気性がよく、広げて乾かせるため乾きやすいというメリットがあります。他の2つに比べてお値打ちなものが多いようです。
おりもの用布ナプキン
- 軽くて薄いので運びやすい
- 漏れをさほど心配しなくていい
- 生理時期でなくても身体を温められる
いつから使う?時期によってサイズをチェンジ
布ナプキンは生理時以外にも使えます。下着を汚すことがない上に、身体を温めてくれるので、生理時以外でも使用するメリットを感じられるでしょう。その際はおりもの用ナプキンを使用することをおすすめします。
布ナプキンに慣れていない方や経血量が多い日は、ずれにくい一体型布ナプキンやホルダー型布ナプキンの使用がおすすめ。また、下半身のラインが出やすいパンツスタイルにもおすすめです。
一般的な昼用布ナプキンの大きさは約17~25㎝、夜用は約33~40㎝。層の厚みもそれぞれで、おりもの用は2~3層、昼用は4層、夜用は5層のものが多いようです。その日の体調や経血量に合わせてナプキンも変えるようにしましょう。
素材にもこだわりを
布ナプキンにはネルやガーゼ、パイル、シルク、フライスなどさまざまな素材が使われています。ネルは月経血の吸収力が高く、ガーゼは通気性が良いなど、素材によって魅力が異なります。シルクの布ナプキンは高級ですが抗菌作用があり、血行促進効果も高いようです。
さまざまな素材の中でも、オーガニックコットンは身体に優しく、デリケート部分にもダメージを与えません。肌触りがいいので不快感も感じることなく、着けていることを忘れてしまいそうという声もあるほどです。
布ナプキンは、デリケート部分に直接あたるものなので素材がとても大切。よく比較して自分に合うものを選びましょう。
まずは気軽に布ナプキンを試してみよう
布ナプキンにはさまざまな効果が期待できることがわかりましたね。今はかわいいデザインの布ナプキンもたくさん販売されているので、お気に入りのデザインを選べば憂うつな生理期間の生活も少しは楽しく過ごせるようになるでしょう。さらにゴミも削減できます。
漏れが心配という人は、まず家にいる間に試してみてはいかがでしょうか。布ナプキンの快適さに気づくはずです。
- 布ナプキンには冷え性や生理・排卵痛、子宮筋腫、更年期などによる不快症状の緩和に効果的
- 布ナプキンはにおいやかゆみ・かぶれを防ぎ、デリケートゾーンを清潔に保てる
- 布ナプキンの不妊改善に医学的な根拠はない
- 布ナプキンは最初は戸惑うけど慣れれば快適。たくさんある布ナプキンの中から自分に合ったものを選ぼう