更年期に多い頭痛の原因は?頭痛予防に効果的な3つの方法
つらい更年期症状。頭痛は代表的な更年期障害の症状の1つです。40代〜50代の女性の多くが頭痛や頭が重いという症状に悩まされています。
頭痛がひどいと寝込んでしまったり、気分まで滅入ってストレスになりますよね。
今回は更年期の頭痛について詳しく説明します。
頭痛の原因と対処方法、さらには頭痛や更年期障害の症状の緩和対策まで徹底紹介。
更年期だからと諦めないで、頭痛のない毎日で、元気に過ごしましょう!
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更年期障害のさまざまな症状
加齢による女性ホルモンの低下や閉経、ストレスなどにより日常生活に支障をきたすような症状が続く更年期障害。肌や粘膜、血管や骨、脳や筋肉など、体のさまざまな場所から症状が出るだけでなく、自律神経などの精神面にも支障が出てきます。主な症状をあげてみましょう。
めまい | フワフワ浮き上がるような自律神経系のめまい。 |
動悸・息切れ | 不定期にドッカンドッカンと胸に強い動機が感じられる。不整脈や甲状腺機能亢進症との見極めが大切 |
ホットフラッシュ | 急に暑くなったり、反対に寒くなる。手足は冷たいのに顔だけが熱い。汗が止まらなくなることも。 |
肩こり | 肩が重く感じたり、痛みがある。肩が上がらなくなる場合も。 |
頭痛 | ズキンズキンと脈を打つような痛み、吐き気を伴う痛み、締め付けられるような痛みなど、痛みの種類はさまざま。 |
肌の乾燥 | 女性ホルモンのバランスが崩れることで、肌のバリア機能も低下します。敏感肌になり、乾燥やカサつきが出てくることも。 |
不眠・睡眠障害 | 寝つきが悪くなったり、寝ているつもりでも眠りが浅く、日中も常に眠い。朝起きても疲れが取れていないと感じる。 |
イライラ | 更年期に多い心の症状。怒りっぽくなり、すぐカッとなってしまう。 |
これ以外にも、耳鳴りや疲労感、ドライアイやドライマウス、物忘れやうつなどもあげられます。
めまいや肩こり、頭痛と吐き気…症状が合わさると更に体調が悪化
更年期障害の症状は1つとは限りません。めまいや肩こり、頭痛と吐き気、不眠とイライラなど、複数の症状が重なり合って、さらに悪化することが多くあります。
また、頭痛→吐き気→ホットフラッシュ…と日によって違う症状が出る場合も。つらい症状が出るのに、検査しても異常が見つからないものを「不定愁訴」と言います。不定愁訴はまさに更年期障害の代表的なものと言えます。
気象変化で更年期症状が悪化?気象病とは?
「気象病」という言葉を聞いたことはありませんか?気象病とは、気温や気圧、湿度などの気象の影響を受けて悪化する病気のことを言います。私たちの体には、外部環境の変化にかかわらず、体温を一定に保つなど、恒常性を維持する働きがあり、それに自律神経が深くかかわっています。
自律神経には交感神経と副交感神経という2種類があり、それぞれがバランスをとりながら、体の機能の調整をしています。気象の変化で人の体はストレスを感じ、それに抵抗しようとすることで自律神経の混乱を招きます。特に気圧が低下すると、耳(内耳)から脳に伝わり、自律神経のバランスを乱し、体に不調を感じやすくなります。
気象病も更年期障害も、自律神経を介して症状が出てくる点が似ていますね。こうしたことから、気象条件によって、更年期障害の症状が悪化する場合があるとも言われています。
くも膜下出血や自律神経失調症など、更年期と間違えやすい病気に注意
更年期障害の症状だと思っていたら、他の病気だった…なんてことがあるのも事実です。症状がさまざまあるからこそ、間違えやすいのです。更年期障害の症状と間違えやすい病気をあげてみましょう。
めまい | メニエール病、良性発作性頭位めまい症、貧血、内耳炎、脳卒中 など |
動悸・息切れ | 不整脈、狭心症、心筋梗塞、自律神経失調症、甲状腺機能亢進症 など |
ホットフラッシュ | 心臓病、バセドウ病、高血圧、自律神経失調症 など |
頭痛 | 片頭痛、高血圧、くも膜下出血、眼精疲労、緑内障 など |
この中でも「頭痛」は更年期障害の代表的な症状です。痛みの特徴の種類も多いので、ここから詳しく見ていきましょう。
更年期の頭痛の特徴と原因は?
更年期障害の症状として、代表的なものと言えば「頭痛」。女性ホルモンの1つである「エストロゲン」が減少し、バランスが崩れることで血管が膨張して炎症を起こしてしまいます。
更年期の頭痛には、主に片頭痛と緊張型頭痛の2種類あります。それぞれの特徴を見てみましょう。
片頭痛の特徴
原因 | 女性ホルモンのバランスが乱れるなど、なんらかの理由で脳の血管が拡張し、周りの三叉神経を刺激してしまうことで炎症が起こり、痛みを発症します。遺伝的な要因もあります。 |
症状 | ・脈を打つように、ズキンズキンと激しく痛む ・吐き気を伴う ・音や光に敏感になる ・女性に多く寝込むことがあるほどの痛み ・頭の両側が痛む場合も ・体を動かすと痛みが増す |
緊張型頭痛の特徴
原因 | ストレスや眼精疲労などにより、頭の骨を包む筋肉が持続的に収縮し、血行が悪くなるため、痛みが発症します。 |
症状 | ・疲れた時に痛くなる ・ギューッと締め付けられるような痛み ・入浴すると楽になる ・心身にストレスを感じると痛む ・動けないほどではないが、ダラダラと痛みが続く |
男性に多い群発性頭痛
他にも男性に起こりやすい、群発性頭痛というものもあります。これは、片方の目の奥をえぐられるような激しい痛みが起き、痛む側の目に充血や涙が伴うことも。季節の変わり目などに起こりやすく、1度起きると何日も続くが1~2時間で治ることが多いとされています。セルフケアが難しいので病院を受診し治療してください。
こんな頭痛の時は、すぐに病院へ
同じ頭痛でも、片頭痛や緊張型頭痛のように、原因となる病気はないのに繰り返し痛みが出る「一次性頭痛」と、病気の症状の1つとして起こる「二次性頭痛」があります。
二次性頭痛には風邪や二日酔いの頭痛も含まれますが、中には怖い病気が隠れていることも。
くも膜下出血 | 脳動脈が破裂して、脳を覆うくも膜と軟膜のすき間に出血が起こります。いつから始まったかはっきり分かるほどの突然の激しい痛みが起こります。 |
脳腫瘍 | 数週間から2~3ヶ月かけて、痛みが強くなっていく頭痛の場合は疑われます。腫瘍のできる場所によって症状が異なりますが、徐々に痛くなっていき、手足にマヒやけいれんが起こります。 |
こういった症状が出た場合には、迷わず病院を受診しましょう。
片頭痛と緊張型頭痛の対処法は違う
頭痛は、痛みの種類によって原因が異なるため、対処法も異なります。それぞれに合った対処法を紹介します。
片頭痛は静かなところで安静に
片頭痛の場合は、暗くて静かなところで体を休めましょう。アイマスクや耳栓などを利用するのも効果的です。血管が拡張することで痛みが出てくるので、冷却シートなどで頭を冷やすと症状が落ち着くこともありますよ。
緊張型頭痛は軽めの運動で体の緊張をほぐす
緊張型頭痛の場合は、血行をよくしてあげることが大切です。ストレッチや散歩などの軽い運動をして気分転換をし、体の緊張をほぐしてあげましょう。眼精疲労がある場合は、定期的にホットタオルなどで目を温めることで、痛みを和らげることができます。
痛みをすぐになくしたいときの市販薬は?
そうは言っても、忙しい時に限って、頭痛が起きてしまうこともありますよね。
そんな時は、市販の鎮痛剤を服用して、症状を軽くするのもよいでしょう。
ただ、薬を飲んでも痛みが改善されなかったり、何度も繰り返すなど、頭痛で困っている時は、頭痛外来などで医師に相談しましょう。
ロキソニンS
- 鎮痛成分:ロキソプロフェンナトリウム水和物
- 2011年から市販薬として購入可能になった、とても効き目の強いお薬。
- 第一類医薬品に分類されているため、薬剤師がいる薬局のみで購入可。
- 1回1錠。眠くなる成分が含まれていない。
- 痛みが発生するメカニズムを阻害し、新たな原因物質の産生を抑制。
- 胃への負担を軽減する処方になっています。
バファリンプレミアム
- 鎮痛成分:イブプロフェンとアセトアミノフェンを1:1でダブル配合
- イブプロフェンが発生させる胃への負担をアセトアミノフェンがカバー。
- 1回2錠
- 最新の独自技術であるクイックアタック錠なので、錠剤と鎮痛成分が素早く溶けて効く。
- 第二類医薬品
- 痛みの元と痛みの伝わりをダブルでブロック。
更年期の頭痛予防に効果的な3つの対策
更年期障害によって発生する頭痛は、生活習慣や食生活を見直すことで、予防することができると言われています。痛くなってしまう前に、できることから始めてみましょう。
生活習慣の改善や食生活の見直し
更年期障害による頭痛を予防するには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。
片頭痛 | 食事は朝昼晩3食きちんと食べましょう。空腹で血糖値が下がると、頭痛が起きやすくなります。 また、音や光やにおいなど、痛みを誘発する原因に心当たりがある場合は、できるだけそれらを避けるようにすることも大切です。 |
緊張型頭痛 | 首や肩の血行を良くしましょう。長時間同じ姿勢でいるなど、体がコリ固まらないよう、ちょっとしたストレッチなどの適度な有酸素運動を取り入れることが大切です。 |
その他にも、睡眠がしっかり取れていないと、ストレスや疲労の解消が十分にできないため、片頭痛も緊張型頭痛も、どちらも起きやすくなってしまいます。7~8時間しっかり睡眠を取るだけでも頭痛は起きにくくなりますよ!ただし、長く寝すぎると、反対に片頭痛を誘発する可能性があるので、注意しましょう。
ホルモンバランスを整える食材を摂り入れる
食べ物から摂取する栄養素のなかには、頭痛の予防に役立つものもあります。女性ホルモンの1つでもあるエストロゲンの分泌量が減少することで、自律神経やホルモンバランスが乱れ、頭痛を引き起こしているケースもあります。エストロゲンの働きを補ってくれる大豆イソフラボンを積極的に摂取しましょう。大豆イソフラボンは、豆乳・豆腐・納豆・油揚げなどの大豆製品に多く含まれます。
エクオールサプリで更年期症状を緩和する
更年期障害による頭痛などの症状は、女性ホルモンのバランスが崩れることで起こります。特に30代後半から分泌量が減少するのがエストロゲン。特に更年期にはその量は激減します。
このエストロゲンを増やすには、病院やクリニックで行う女性ホルモン剤を用いた「ホルモン補充療法」という治療法もありますが、エストロゲンに構造が似ていることでその働きを補い、更年期障害の緩和に役立つと期待されているのが「エクオール」という成分です。
エクオールは大豆に含まれるイソフラボンの「ダイゼイン」という成分が腸内細菌によって代謝されることで作られる成分です。
しかし、エクオールを体内で作り出す産生菌がない人もいます。つまり、エクオールを自分の体内で作れる人と作れない人がいるのです。
また、エクオールを体内で作れる人も、腸内環境の乱れなどで十分産生されない場合もあります。安定的にエクオールの効果を得るには、サプリメントで補うことが効果的です。
サプリメントで安定してエクオールを補うことができれば、更年期症状の緩和にとても有効です。
エクオールについての詳細は、こちらの記事をご覧になってみてください!
更年期の辛い頭痛は生活習慣や食生活の見直しとサプリメントで上手に緩和を!
更年期障害によって引き起こされる頭痛は、日々の生活環境を見直したり、食事から取り入れる栄養素を意識することで、予防・緩和することができます。痛みでツライ思いをする前に、できることから取り入れてみませんか。そうすることで憂うつな頭痛から解放され、有意義な時間を過ごせるようになるでしょう!
- 更年期障害によって引き起こされる頭痛は「片頭痛」と「緊張型頭痛」がある。
- 片頭痛の場合は、暗く静かなところで安静にする。
- 緊張型頭痛の場合は、軽い運動で血流を良くする。
- どちらも睡眠時間は7~8時間しっかり取るようにする。
- 大豆イソフラボンやエクオールを積極的に摂取することで、頭痛の頻度を下げることが期待できる。